人造人間キカイダー現わる


ケンちゃんという、とても気のイイヤツがいました。

そんな彼の欠点は酒が大好きな事。問題は
飲めないくせに、ということなんです。
呑める振りして一気のみをして、隠れてリバースという姑息な手をつかいます。

要は人間ポンプの芸を酒席で披露しているだけで、

陰で違ったゲーをしてるヤツを知らない人は「あいつはスゴイ!」となる訳です。

辛い思いをして呑まされている私達は面白くありません。

ましてや酒呑みにゲーはご法度です。そんなある日の忘年会、

その日はやってきました。ガンガン呑んで宴もたけなわ


おや?ケンちゃんがいません。


仲間と捜しにいくと便所に鍵が…しかも応答無し。
ケンちゃんだ!一人が上の隙間から侵入することになりました。
「いたいた!倒れてるよ!」とそいつが上から壁の向こうに消えた瞬間


「うわ―!」という声と金属が床に落ちる音、
更にバシャ――!と吹き出る水の音!

侵入したヤツもバカだからタンクのパイプに足をかけたタメ、

根元から外れてしまったのです。

鍵を開け、個室の中は盆と正月が一緒に来たような大騒ぎです。
ただしこの時みんな死ぬほど笑い転げてました。

ケンちゃんは…?半分水につかったまま横向きに倒れていました。

騒ぎを聞き付けた、店の人と上司にこっぴどく叱られた私達4人をよそに

抱え上げられた
ケンちゃんは右半分がキレイにビショビショになっていました。
怒られたあとにもかかわらずそれを見た仲間のひとりが


「あっ!キカイダー!」

と指をさしたのでまた死ぬほど笑ってしまい、

その後また死ぬほど怒られてしまいました。

水の方は元栓を締め、後日請求、

ケンちゃんは上司がついて救急車で運ばれていきました。

急性アルコール中毒でした。少し責任を感じた私達4人は

車(忘年会なのに)で病院にむかいました。

救急病院を捜し当て、まっていた上司にまた説教をくらい病室へ


ケ、ケンちゃんがおむつで点滴をうけてます!
ケンちゃんオモラシ追加です。



まさか病室で大笑いはできませんので堪えるのに気が狂うかと思いました。

車なので地元の近い私達がケンちゃんを家まで送り届ける

と言う事で上司は帰り、私達4人は寝ているケンちゃんの病室にいたのですが、

点滴が終わるまで1時間以上かかります。
だんだんじっとしていられなくなった一人が点滴のスピード調節をいじりだしました。
またここで笑いを堪えるのに気が狂いそうになりました。


早くしすぎて点滴ではなく線滴になってるではありませんか!
これはさすがにマズイと点滴に戻しましたが


1時間以上かかる筈の点滴が30分以下で終わっているのを見て

看護婦さんも首をかしげてます。また笑いを必死に堪えました。

その後、無事おむつ姿のケンちゃんを家まで送り届けた私達は

ケンちゃんのお母さんに何度もお礼を言われ、長い一日を終えましたとさ。



ちなみにその日からケンちゃんは無茶な一気芸をしなくなったそうです。

ケンちゃんも今や結婚して二児の父…

嫁と子供におむつの事実は知られたくないでしょうなあ!
この時代に携帯電話があれば間違いなく私達、おむつをされて気を失い、
点滴を受けている姿を写メっていたことでしょう。

文明の利器も良し悪しですね!

written by ユーさん様


面白コメント集 MENU

面白コメント集 TOPへ

インデックス


TOPへ